登校拒否を考える親・市民の会(鹿児島) 登校拒否も引きこもりも明るい話


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体験談

2007年1月発行ニュースより。
登校拒否を考える親・市民の会(鹿児島)会報NO.129


登校拒否を考える親・市民の会(鹿児島)では、
毎月の例会の様子をニュースとして、毎月一回発行しています。
その中から毎月1/4から1/3程度をHPに載せています。


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家族は無条件の愛情で結ばれています

12月例会報告


新年おめでとうございます。
今年も親の会で励ましあいながら、不安を小さくして、安心を大きくしていきましょう。


「親の会に参加して、元気が出た、勇気をもらった」という感想はなによりうれしく、17年間やってきてよかったな、と思います。
不安が大きいときは、「解決の道は自分の中にある」ということに気がつかなくなってしまい、自分を粗末にして、大事にしなくなり、余裕もなくしてしまいます。


Oさんは、何が一番大事なのか物事の優先順位を決めていくと、不安が小さくなってきたと言います。
それは家族の関係でも同じです。
家族はお互いに無条件の愛情で結ばれているあるがままを受けとめてくれるところ、ですね。


MKさんは「親もわが子から支えられている、親の大丈夫という気持ちが伝わって子どもが安心する、お互いに支えあっている」と言います。


Hさんも、わが子に「ゆっくりゆっくり休んで欲しい」と思うようになると、「夫婦の関係もよくなってきた」、そして「何より自分を大切にすることに気がついていった」と言います。


Mさんも青年時代を振り返って、悩みは決してマイナスじゃない、そのことが「自分の人生にとって非常にプラス」と言います。


Kさんの夫婦の問題も同じ、「自分の気持ちが明るくなっていくと家族も明るくなって。やっぱり私の気持ちだったんだな、だから、自分に無理しない」と笑います。


子どもの状態に動じなくなったSさん夫婦。
教訓は親の会の三原則、「子どもを異常視しない、言いなりにならない、腫れ物扱いしない」ようになると、不安がなくなって、わが子を心配しないで信頼できるようになったのですね。


皆さんのお話には大事な教訓がたくさんあります。
毎回感動、感謝、です。
今年も、自分を大切に、のんびりゆっくり生きていきましょう。
すると大事なことをたくさん発見して、自分の人生を大切にしていけるんです。





<目次>
1 「私にとって、今一番大切なことは?」
物事の優先順位を決める         Oさん

2 今、おだやかに、幸せに・・・       Iさん(母)

3 わが子の「今が自然」とわかっていくと、夫婦の関係も良くなって・・・Hさんご夫婦

4 「学校、休んでいいんだよ・・・」学校現場で    内沢朋子

5 わが子を「異常視しない」、「言いなりにならない」、「腫れ物扱いしない」。
Sさんご夫婦






「私にとって、今一番大切なことは?」
物事の優先順位を決める         Oさん



―――(内沢朋子)(世話人):今年最後の親の会となりました。
テーブルには皆さんが差し入れてくださったお菓子がたくさんあります。
ありがとうございます。いつもより豪華に、忘年会も兼ねたいと思います。


Oさんは3人の息子さんがいらして、4月に離婚が成立しました。
ずっと5年間引きこもっていて、外に出るのも人に会うのも怖くてたまらなかったんですが、離婚を契機に働こうという意欲もわいてきて、とても元気になったんです。


しかし、元夫が今住んでいる家の財産分与の手続きをしなくて、そのことでまた同じように不安が大きくなってしまったんです。
でもこれ以上は我慢できないと自分の気持ちを弁護士にしっかりと伝えたんですね。



はい。弁護士さんも私の気持ちを汲んだとても丁寧な手紙を相手に送ってくださいました。
私は相手の影を感じただけで命が削られるくらいにすごく不安になったんです。
怖いんですね。相手が何か言ってくれば、裏があるんじゃないか、何かされるんじゃないか、と考えてしまったんです。


今までいろんな目にあってきて、どうすることも出来なくて、そのたびに自分を殺して受け入れるという生活を続けてきましたから、でもそれはもう嫌なので、はっきりとこちらの意向を伝えてもらいました。


物事にはいつも二面性があって、私はこうしたいと思っても、裏を返すと私にとってマイナスになることもあって、1つ1つを判断するにもすごく考えなくてはいけなくて大変です。
それでなかなか話が進まないのですが、でも第1の目的は相手から離れることで、そのことが一番だなと思うので。
世の中って、確かなことは何一つなくて、でもその半面、何とかなるなあと思います。
そろそろそのことも決着がつきそうです。


―――そう、よかったですね。
自分にとって一番大切なことは何なのかなと考えていく。
物事を考えていく上で大切なのは優先順位をはっきりさせるということですね。
その軸がぶれると何もかも不安になってしまう。


あなたにとって一番大切なことは、離婚できたこと、そこに確信を持つことですね。
まだまだ相手の影が強くて、また怖くなって、仕事をするとか、人に会うとかが出来なくなってしまっているんでしょう。



そうなんです。
また外に出られなくなったんです。
それを実感して、早く元気になって働かなくちゃとか、生活のリズムを作らなくちゃと焦ったりしていたんですが、今はそんなに焦らなくていいかなと思えるようになりました。
不安に支配されているということが改めて分かって、バタバタしてもしょうがないと。


―――皆さん、これはとても大切なことなんですが、人の話を自分のこととして感じるということが大事なんですね。
今、Oさんは夫婦の問題でご自分の辛さをお話してくださいましたが、我が子も嫌な思いをしたら、こんなふうに辛いんだなあとOさんの話から感じていただきたいんです。


Oさんは離れることによってしか自分の安らぎが得られない。
我が子は学校から離れることによって人間性を取り戻していく。
同じことなんですね。ですから一人一人のお話は大事なんです。


あなた自身のお気持ちが焦らなくていいかな、不安に支配されているということに気がつくことが大事で、今そういう状態の自分をちゃんと受け入れる、そうしていくと気持ちが荒れることもなく穏やかになっていきます。
困難なことや辛いことがありますが、いつの時もあるがままの自分を受け入れるということが大事ですね。




今、おだやかに、幸せに・・・       I さん(母)



16歳の女の子です。
母娘二人暮らしです。
毎日を穏やかにたんたんと暮らしています。
「明日から12月だね」と娘に言うと、「お母さんやばいよ、もう1年経っちゃった」と言います。
でもたんたんと昼夜逆転して生活しています。


自分自身のことなのですが、職場の人間関係で辛いときがあり、居場所がない時期がありました。
自分がいやだな、お昼ご飯をみんなと食べたくないなと思う時、いやだったら辞めたらいいやと思って、辞めることができるというのはすごく気持ちがよいものだなと思いました。
その時、子どもの場合はどうなんだろうと考えたら、そういう気持ちがあっても簡単にはできなくて、大変だなと今更ながら思いました。
自分の抱えていたトラブルは今落ち着いています。


―――ご自分の体験の中から、我が子の辛さに思いをいたすことができてよかったですね。
あなたは今仕事を辞められても大丈夫ということですか?

(そうですね。そういう心配はしてないです)
どんな時でも切羽詰って自分を追い込んでしまうと、仕事にしても絶対辞められないなと思ってしまうんですね。
学校も同じように退路を絶たれてしまう、その時に不安が襲ってくるんですね。
そういうふうにちゃんと逃げ道を持つことは、とても気持ちが楽なことなんですね。



そうですね。とても楽ですね。
職場で二人辞めることになって、その方達の仕事が自分にまわってきそうなんです。
パートで二人分の仕事をするのはすごく大変なんですね。
「どうしようかな」と娘にぽろっと言うと、「辞めたらいいよ」と言ってくれたので、私も「そうだよね、そうだよね」と言いました。


―――娘さんはちゃんと気持ちがわかってくれるんですね。
それは自分の生き方を肯定できることにつながっていきますね。
アルバイトをしなければと焦った時期がありましたけれど、今はどうですか?



今は何もしてないです。
9月の末に髪を切りすぎて、どこにも出かけられなくて、落ち着いているんだと思います。
髪を切ったのも、家にこもるきっかけができてよかったと思っています。


―――友達がいないとダメだとかそういう焦りは娘さんにもあなたにもないのですね。
(ないですね)
それは良かったですね。
毎日を穏やかに過ごすことができるようになった、そのことがなによりです。




わが子の「今が自然」とわかっていくと、夫婦の関係も良くなって・・・
              Hさんご夫婦



(母):16歳の息子は全然変化はなく、良くもなければ、悪くもないし、進歩もなければ後退もないし。(笑)
起きたい時に起きて、寝たい時に寝ているみたいです。


私たちが不登校ということに全然気づかなかった中3の2学期あたりから、息子が「眠れない」と言うので、どうしてだろうかと思って、心療内科へ連れて行ってお薬を飲ませたりしたんです。
息子は学校に行かなければいけないと必死で眠ろうとして、でも朝は薬の影響でボーっとしてしまうんですね。


親としては睡眠障害だと思って、どうしたら眠れるようになるかと、結局心の中に辛さがあるということには気づかないで、どんどんこちらの都合で追い詰めていました。
結局、今は高校に行けなくて、仕事にも就いてないですが、ここに来たおかげで私たちもそれが当たり前だと思っています。
だから何も期待はしないし、ゆっくり、ゆっくり休んで欲しいと思います。


次男がこういう状態になった当初、先程の話のように、私たち夫婦も悪い関係で、子どもの状態にばかり目がいって、夫婦お互いをけなすことばかりで、家の中もぐちゃぐちゃして、上の娘も早く出たいと言って、海外まで行ってしまいました。
長男も早く家を出たいと言っていました。
最近は、子どものことじゃなくて、夫婦がお互いを思うようになりました。
最近は喧嘩をしなくなりました。
ただ、夫が貧乏ゆすりをしているのが嫌だったんですけど。(笑)


(父):お金がないからですね。(笑)


(母):あるがままの夫を受け入れていくと、関心がなくなるし、興味がなくなると自然と自分も楽になりました。(笑)
いろいろ直してほしいところはあるんですが(笑)、ここに来たおかげで女は、母は、妻はこうあるべきだという考えが薄らいできたので、良かったです。


―――夫婦お互いに思いやる気持ちが生まれて、お互いを大切にできるのは自分を大切にできるからですよね。


(母):それまでは子どもを中心に、子どもがこうだからだとお互い非難していたと思うんですよね。
それは子どものためには全然よくないし、私が夫を愛し、夫が私を思ってくれると子どもたちはすごく幸せなんですね。
何もしなくても、二人が思いあっていればいいのかなと。
まだそこまではとっても遠いですけれども。(爆笑)


―――でもそういうことに気がつかれたというのはとっても素晴らしいことですね。


ここに来てから、期待をしなくなったのはいいですね。
子どもに対しても、夫婦の間柄に対しても、期待しなくなった時にいい関係になるということですね。


(父):真ん中の子は、以前は県外に出たいと言ってたんですが、今は地元の大学に行って、アルバイトをしながらアパートを借りると言ったので、ああいいね、自分で家賃出せてと言ったら、息子はバイトはするけれども、家賃は自分が出さないと思っているみたいです。


(母):お兄ちゃんは、弟が原因で家庭がこうなったと思っているみたいで、一度すごい取っ組み合いの喧嘩をしたことがあるんです。
それから10ヶ月ぐらい話をしてないんです。


――――それは、ご夫婦が本当に仲良くて、両親が下の子は何も心配してないよと心から安心していれば、必ずお兄ちゃんは大丈夫なんだなと安心して、弟のことを受け入れてくれるんですね。


話をしなくたって全然心配ないんです。喧嘩したくなる時があったっていいんです。
大いにやればいいんです。発散しないでガマンしているほうが大変です。


それよりも、親が自分のことを大切にしている姿勢があれば、全然問題ないんです。
自分さえガマンすれば、女はこうあるべきだという考えに縛られるから、自分が不幸になるし、周りも不幸になるんですね。
そういうことではなく、お互いが人間として大事にしあえる関係になるのは、自分自身を大事にしているからなんですね。


色々大変な時期があったと思いますけれども、だからこそ、今こうやってご自分を大事にされるようになって。とても大切なお話でした。
ありがとうございました。



「学校、休んでいいんだよ・・・」学校現場で    内沢朋子




―――昨日、毎月1回開かれている「たのしい授業」の研究会がありました。
先月の研究会では、たっちゃんがいじめについての資料を配ったんです。
いじめについて、いじめの一番の解決策は、「学校から逃げること、休むこと、不登校」なんですね。
命を守らなければならない。これが最優先されます。
そのことを教師も勇気を出して言おうと話したんですね。


学校の先生が「学校を休んでいいよ」と言うのは、とても勇気がいります。
10年前の文部省は、「いじめられたら欠席を」と宣言していましたが、今、文科省は一切口をつぐんでそういうことは言わない。


今、なんていっているかというと、
「いじめられたら、そのことを訴える勇気を持とう」と言うわけですね。
これは村方勝己君の例からも、子どもにはとても酷なことで、言えることではありません。
人としてのプライドを捨てろということですから。


不登校を勧めないのは、文科省がスクールカウンセラーの配置、加配教員の増加、不登校児に対する学校側の取り組み報告など、いろいろな行政対策をやってきているからです。
学校に戻すことが「解決」という見方ですね。


そのことを先月お話して、結果はどうだったか。
不登校をしているUさんの息子さんの中学校の校長が、全校朝会、父母会それから職員会議で資料を配って、不登校の勧めを話されたそうです。


学年主任をされている人は、学年全体で話されたり、クラス担任の人はクラスで話したりされたんですね。これは、今の教育行政の下では大変な勇気がいります。素晴らしいことですね。感動しました。


不登校の子どもたちが投じた一石は、ひとりひとりで、これは組合を作ってるわけじゃない、そのひとつひとつが問題を投げかけていく、そして私達の生き方も変えていく、すごいことじゃないかと思うんです。


勝己君のようにかけがえのない命をなくした子もいます。
その子どもたちから私たちは学ぶ、そしてまたそれを貴重な財産としていく、そういう人たちが学校現場にもおられることにとても感動しました。





わが子を「異常視しない」、「言いなりにならない」、「腫れ物扱いしない」。
                   Sさんご夫婦



(母):11月に27歳になった息子です。
先月は、息子は暗い表情で「お前たちは何もしてくれない」と言ったので、私がカッとなって息子としばらく話をしなかったところまでお話しました。
それから2週間ぐらい必要最低限の会話しかなくて、息子は暗い表情でした。
私たち夫婦は普通に食事したり、息子にも普通の応対をしていました。  


今月、夫婦で映画を観に行きました。
映画が終わる頃息子から夫の携帯に電話があり、また何かあるのかなとちょっとドキドキしました。
息子は私達の知らない間にまたハローワークに行って、正社員の仕事を探していたらしいんです。


「就職が決まった。パチンコ屋さんだけどいいかなあ。辞める人が多いらしい、俺も辞めるかもしれないけど、まあ、行ってみようかな」という内容でした。
夫は「お前が決めたことだ。辞めるときは、辞めてもいいし、それでもいい」と返事をしていました。


息子は夕方手続きに行き、次の日から来てくれということで、制服などをもらってきました。
翌日、息子は自分で起きて行きました。
日勤と夜勤があるのですが、今日までずっと行っています。
私達も、今度こそ一切何もしなかったんですけど、息子は早番のあと遅番があると4,5時間しか寝る時間がないのですが、きちんと自分で起きて行きます。


私達は、息子が辞めてもいいし、どちらでもいいという感じでいます。
息子は今まで職歴が欲しい、社会人の経験がないからといろいろ言っていましたが、すんなりやっているので不思議な気持ちが続いています。


(父):息子からの電話はドキドキはするんですが、そんな強い内容じゃないなと思いました。
私は「前も言ったけど、お父さん、お母さんはもっとゆっくりしていいと思っているんだよ」と言うと、息子は「分かっている。でも俺は働きたいんだ」と言いましたので、私は「そうか、お前の気持ちでいいんだよ」と言いました。


「最初の仕事が、そんなのでいいかなあ」と言ったので、「そこで働いている人はみんなそれで食べているのだから、悪い仕事じゃないと思うよ」と言いました。
息子は朝8時ぐらいに出て、帰ってくるのは夜8時ぐらいです。
夕方4時ごろ出たら、夜中の1時ごろ帰って来ます。
周りの人もいい人たちで、仕事も面白いと言っていました。


(母):今まで息子は、「人間不信だ、人と接するのは嫌だ」と言っていたのに、今の職場は「これ以上の人は他にはいないぐらいいい人ばっかりいる」と言うんです。
それがすごくうれしくて、良かったなと思っています。


―――息子さんは自分の意思で働き出した。
ご両親も息子さんに不安がなくなっている。どうしてそうなったと思いますか。



(父):最初は夫婦で旅行したということ。
それから始まったと思います。
そのときに息子はひとりになったということで、自分のことを考えて、いろいろ変わってきたような気がするんですけど。最初のきっかけはそれからかなあと思います。
それから本人に任せたということがあるかなという気はしているんです。
今はちょっと思いつかないんですけど。


―――Sさんとはもう10年以上とお付き合いが長いのね。
中学、高校で不登校になって、その頃、息子さんがずいぶん長いこと荒れていました。
そのあとも、いろんな場で自分の辛さを抱えながらも無理してやってきた時代があったでしょう。


当時ご両親の中にあるのは、みんなそうなんですけれど、子どもを異常視していた、それから腫れ物扱いしていた、そして子どもの言いなりになっていましたね。
それを見事に破ったのね。特にお父さんが本気になって、息子さんと対峙したでしょう。
それから息子さんは変わってきたんですね。


「子どもを異常視しない、言いなりにならない、腫れ物扱いしない」、これは親の会の貴重な教訓から導き出された三原則です。
どうしてですかと聞いたら、「旅行したから」と、さえない返事でしたけど(笑)、大事なんですよ。


すると安心がどんどん増えてきて我が子に関心がなくなり、それから荒れても動じなくなった、子どもの言いなりにならなくなったでしょう。
ご自分たち両親が過去どうであったか、不安でいっぱいだった時、どんなふうだったか。


子どもを異常視して、言いなりになって、腫れ物扱いして、と、全部反対のことをやってきたわけでしょう。
ひとつひとつを思い出して、そこから法則を導き出すといいんですね。
やっぱりあれは不安からやっていたんだなと大事な教訓がでてくるんです。
そういうことを振り返って自分たちの尊い財産にしなければいけないんですよ。
そこがとても大事なの。


(母):そう、思います。
渦中にいるときは分からないんです。
分からない時を振り返ってみると、子どもの言うことを、まともに聞いてきたなあって思います。
息子が出来ないなと思って手伝ってしまうんですね。でんとしていられなくなる。
過ぎてから気づくんですけど。
いろいろあったなと思います。
でも、これから先も少しずつ気づいていきたいと思います。


―――その渦中にいる時には、私がいくら申し上げてもね(笑)。
そして我が子が安定すると親も本質を見ようとしないうちにすぐ安心してしまい、5年間親の会から遠ざかったりしてね。(笑)


息子さんはちゃんと生きていきます。
いろんな紆余曲折はあったとしても、親に対する信頼はちゃんと確立していくし、親御さんも息子さんに対する信頼を確立していくんですね。


そして、先月、「この幸せがいつまでも続くといいなあ」と言われましたね。
そういうところまで気持ちが到達していったわけですね。
ひとつひとつは大きな回り道したときもあったけれど、ちょっとおろかだなと思うようなこともあったけれども(笑)、ちゃんとそういうことを親の会で確認してきたんですね。


大事なことは子どもを信頼しきることですね。
子どもだって、「お父さん、お母さん、僕や私のことを信頼してよ」と言っているんです。
信頼して人として扱ってと。
親が子どもの周りを人工衛星みたいにウロウロして、腫れ物扱いしている、それぐらい子どもにとって嫌なものはないわけです。
信頼されていないんだなということを、子ども達は毎日学習するわけですね。


―――(内沢達):息子さんから「パチンコ屋で働くことになった、どう思うか」と電話があった。今度は何もしていないですか?



(母):何もしていないです。
―――息子さんから、どう思うかと聞かれて、いいんじゃないのと言っただけですか?
そうです。(笑) 


―――たくさんの小遣いも課題でしたね


それも給料をもらい始めたら、やらないようにしようかなと思っています。


―――ひとつひとつ親の試練なんですね。
その試練を乗り越えていく。
でもそれは自分のためなんだということですね。
それを大事になさるといいと思います。
Sさんはすぐ安心するところがあるので、ないようにね(笑)。
教訓を大事にしていって下さい。




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